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書評『村上春樹は、むずかしい』(加藤典洋)
そもそもが「〜離れ」という言い回し自体がものごとを一面的に、誤った光の当て方をしているだけのように思われることが少なくない。 「活字離れ」「文学離れ」などが典型であるが、私の見たところでは、逆である。むしろ世の中はいっそ […]
2月 15, 2017
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村上春樹の異界――井戸と暗渠と1995年
村上春樹の異界――井戸と暗渠と1995年 作家・村上春樹の名を知ったのは高校の頃だった。1989年だったと思う。『ノルウェイの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』がベストセラーになっていた頃で、バブル景気も手伝って、どことな […]
2月 01, 2017
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ジェイ・ルービン(ハーバード大学、村上春樹翻訳者)インタヴュー
著者以上にテクストに精通しうる存在がもしいるとしたら、それは翻訳者以外にないだろう。 一昨年、ワルシャワから鉄道でベルリンに向かうなか、ポズナンから乗り込んできた30過ぎの女性が、熱心に読んでいたのが村上のエッセイだった […]
10月 01, 2015
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ビジネスは村上春樹に学べ
文学は役に立たないという見解ほど、人口に膾炙した謬見はない。 特に村上春樹の精密な人間観察は、深いマーケティング的洞察に満ちている。 先般村上春樹の世界的研究者ジェイ・ルービン氏 […]
9月 13, 2015
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【社会生態学者の本棚】小澤征爾・村上春樹対談
【協奏の世界】 小澤征爾・村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』新潮文庫 時にスポーツ選手がビジネスマンの参考にされるわりには、音楽家が参考にされる頻度が低い気がしてならない。だが、音楽もまた、組 […]
7月 28, 2015
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【書評】『小商いのすすめ』
【「生き方」に古いも新しいもない】 平川克美『小商いのすすめ』ミシマ社 この種の本が一瞬にせよアマゾンのビジネス部門で一位になったと聞いて正直驚いた。というのも、この本は決してきらびやかな成功 […]
5月 16, 2015
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【書評】最も読みやすい渋沢栄一の本
【転換期に処する】 渋沢栄一『雨夜譚』(岩波文庫) 以前から不思議に思っていたのだが、日本資本主義の父ともされる渋沢栄一の書いたものがさほど読まれていないのはなぜだろうか。 理由の一つとして考えられるのが、 […]
5月 07, 2015
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壁と卵
高く堅牢な壁とそれにぶつかって砕ける卵の間で、私はどんな場合でも卵の側につきます。壁がどれほど正しくても、卵がどれほど間違っていても、私は卵の味方です。 村上春樹「エルサレム・スピーチ」
5月 04, 2015
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誰でも入れるし、誰でも出ていける
ぜんたいとしては人生を祝福しなさい 「あなたは自分の人生についてどんな風に考えているの?」と彼女は訊いた。彼女はビールに口をつけずに缶の上に開いた穴の中をじっと見つめていた。 「『カラマーゾフの兄弟』を読んだことは?」と […]
4月 24, 2015
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信じないさ、理由はわかるか?
正真正銘の真実 ミッチェル・サンダーズが静かに言った。「この話の続きをお前は信じないと思う」 「信じないかもしれない」と私は言った。 「信じないさ。その理由がわかるか?」 「どうしてだろう?」 彼は疲れたような笑みを浮か […]
4月 17, 2015
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