ポストモダンの言葉

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生きる理由があるとき

倒れかかった建物は--矛盾するようでも--それに重みをかけるとかえって支えられ強められるものです。人間でも似たりよったりで、つまり外的な困難に応じて彼の内部の抵抗力も増すように思われるのです。この前提となるのはむろん--すでにこの前指摘したとおり--「生きる理由がある」ことで、ニーチェをもう一度引用しますが、そのとき初めて人間は「どんな事態にも耐えられる」わけです。

ヴィクトル・フランクル/宮本忠雄訳『時代精神の病理学』