新著フィードバック手帳の本

shoei
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多くの方々のご尽力で、ようやく刊行させていただくことができました。

正直なところ、ビジネス書の編集はずいぶんやってきたのですが、自分が書く側になるとは思っていませんでした。生きているといろんなことがあると実感します。

フィードバック手帳という言葉を最初に思いついたのは、2008年11月19日です(奇しくもドラッカーの誕生日!)。

当時書いていたブログに次のように記しています。

私見では、人というものは「閉じつつ開かれた状態」が理想である。

思考も行動も、内向き過ぎては空疎だが、外向き過ぎると無内容になる。ドラッカーがフィードバックせよというのも、閉じられた内部と開かれた外部との循環状のエネルギー交流が必要であることを本能的に察知していたためであろう。

実際そのような作用がなければ、なにごともうまくいかない。

植物も、森も、草原も、すべての生き物は生態系のなかでの循環状のフィードバックなしで生きていけないのに似ている。ならば、人間のフィードバックを促す装置はないものか。

そこで思いついたのが手帳である。

あらゆる行動の源が意識(attitude)ならば、意識を制御できるものは一つしかない。

言葉である。

宮沢賢治の心象スケッチのようなものだ。心にうつりゆくことどもを言葉として手帳に書き留め、その書き留められた言葉の数々が意識をつくっていく。そして、行動をつくり、ひいては存在を形づくっていく。

意識の混沌が言葉を通じて体系化されていく。

いわば言葉というツールを使い、自らをコントロールするわけだ。言葉とは実体であり、その人自身だからである。

手帳にはもちろんスケジュール管理のような機能的な部分も必要だ。だがそれ以上に、機会の存在を気づかせてくれたり、自らの知られざる強みに気づかせてくれるようなしかけがあるとよい。

問題だけでなく機会に意識を向けられるものがあるとよい。

しかもふだん使っているだけで、自動的にPDCAのサイクルが回るようなしくみにできないか。

「自動的に」というところがポイントだ。意識せずして意識に働きかけられなければ長続きはしないからだ。

そんな特徴を持つ手帳を自分なりに作ってみたいと思っている。

 

この方法がどう受け止められるのかはわかりませんが、私が行ったのは、ドラッカーの森に咲く一輪の花をつんでリボンをつけてみた程度のことです。私のオリジナリティはほぼ皆無と言っていいと思います。

とはいえ、今後ドラッカーのなかで、一般に役立てられるものを探求していきたいとは思っています。この本をささやかな試みの第一歩として。